頭ではなくハートの声に従うこと…精神世界ではよく言われるフレーズで、私も、幸せに生きる秘訣はそこにある、と信じて実践しています。
ただ、そもそもハートの声って何なの? 頭の声との違いはどこなの? というのが、かつての私の疑問でもありました。
「ハートから聞こえるあたたかい声」「聞くとホッとできる声」など、さまざまな言い換えがありますが、以前の私にはイマイチわかりませんでした。
というのも、その昔、私は今よりずっと自分の感情を深く感じることができていなかったから。
おそらく感情を抑えても溢れてくるからでしょう、本当につらくてどうしようもないときは、「これがハートの声だ」と思える声を感じることはできました。
ただ、なんでもない日常で普段からハートの声を聞く、ということは、よくわからなかったのです。
試行錯誤した結果、私は、ハートの声=体の声、と捉えて、ハートの声を聞くためには体の声を聞けばいい、という考えを採用しました。
体は常に生きようとしていて、嘘をつくことはないから。つまり、体の声を聞くことはほとんどハートの声を聞くことと一緒なのだと考えたのです。
ただ、体の声を聞くのにもテクニックが要るということが、実践するうちにだんだんわかってきました。
たとえば衝動的に何かを食べたくなったとき。
頭では「この衝動は感情からきているから、体によくないだろうなぁ」という声が響きます。
でも、これは頭の声に感じます。
その声を封印すると、「食べたい!」という声が残りますから、そっちが体の声のように聞こえます。
けれど、そんなに衝動的に食べることがいいと感じていない自分がいるのも事実です。
だから、体の声だと思った声を聞き入れて食べた後、後悔したり、食べてしまった自分を責めたりする気持ちが出てきてしまう…。
「体の声を聞いたんだから、いいんだよ、それで」と自分を慰めてみるも、どうもスッキリはしないのです。
その後、私は、動作学という学問に出会い、ありがたいことにライターとしても動作学について書く機会をいただくようになるのですが、動作学が私の謎を綺麗さっぱりと解消してくれました。
今の私は、ハートの声を聞くというのは、いい気分になることを選ぶ、ということだと捉えていて、このやり方が自分にはすごくしっくりきます。
いい気分になることを選ぶ、というのは、言い換えると「それを選んだら自分はいい気分か?」と問うてみるということです。
先に述べた衝動喰いの件で言えば、食べることを選択した後、後悔したり、嫌な気分になるなら、それはハートの声を選択していない、ということ。
逆に、ものすごく食べた後、スッキリして、「さ、明日から頑張ろう」と思えるなら、それはハートの声を選択した、と言えます。
どちらを選べばいい気分かは、その時その時によって変わるので、いつも食べた方がいいということもなければ、いつも食べない方がいいということもありません。
で、ここからが重要なんですけど、ハートの声に従うって、こんなふうに日常でやり続けることが大事なんですね。
つまり、夢に向かって邁進するというような大きなことだけではなくて、日々の細かなことに対してどれだけやれるかで、幸せ度が変わってくるんです。
今朝、私は珍しく寝起きが悪くて、二度寝したい気分だったのですが、二度寝するのと、ここで起きていつものルーティーンをするの、どちらを選択したら気分がいいかと問うたら、起きてルーティーンをする方だったので、起きることを選択しました。
そしたら、やっぱりすごくいい気分になって、すごくいい気分の状態で何かをやると、大体それもいい気分になってっていういい気分の連鎖が起こるんですよ。
もちろん、これは朝早起きするのがいいですよ、という話ではなくて、あなたのハートの声は今この瞬間何をすれば気分がいいかを選んでください、という話。
もし二度寝する方が幸せだなぁって思うのなら、それでいいのです。
最後にもう一つ、付け加えたいのは、気分がよくなる選択をした自分を必ず褒めることです。
この時、褒めるポイントは「自分が気分良くなることを選んだ自分」です。何をしたかとか、どういう結果だったかではなく、ハートの声を選択できたことを褒めるんです。
ハートの声に従えたってことこそ、自分を大事にできたってこと。
なんだかバカらしいけど、特に自己肯定感が低い方、HSP気質で生きづらい方に効果は絶大ですので(アースン・アス比ですが)、ぜひ試してみてみていただきたいなぁと思って共有しました。