先日、うちの犬を散歩させたときのこと。
40分くらい、近所の野原を駆けずり回って、家に戻ろうとしたところで、一匹が「こっちに行きたい」と、家とは違う方向へリードを引っ張りました。
犬のそのような主張にどう対応するのがいいかについてはさまざまな考え方があると思いますが、私は、うちの犬とは主従関係にはなく、家族の一員であると考えて接しています。
なので、犬たちが何かを主張するときは、彼らの主張に耳を傾けます。と、同時に、こっちの都合についても伝えます(実際に声に出して話します笑)。
時には犬たちがこちらの都合に理解を示して、折れてくれることもあります。一方で、私の方が折れて犬たちの希望通りに動くこともあります。
先日、犬がリードを引っ張ったときは、その先に友達犬Mがいて、Mと挨拶したいのだとわかったので、犬の希望を叶えることにしました。
ただ、心の中では、「この後、サーフィン行きたいんだよな。1分でも早く海に行かないと風が出ちゃうから、早く済ませたいな」とも思っていました。
というのも、友達犬Mのところに行くことは、当然、Mの飼い主さんとも会うということなので、そしたらまず絶対会話が発生して、数分ロスする(サーフィンに行くまでに)と見積もったからです。
今振り返ると、たかだか数分のことなのに、どれだけイラチなんでしょう…。
案の定、友達犬Mのところに着くと、飼い主さんの話が始まりました。
ところが、面白かったのが、ここから。
その飼い主さんは、突然、「昨日、◉◉に行ったんだが、標高が高くて、路面が凍結していて危なかった。春の花を期待して行ったのだが、花もまだ全然見頃じゃなかった」と言い出したんですね。
その◉◉という場所は、まさに私たち夫婦が数日後に行こうと考えていた場所。
もちろん、春の花を見たくて、です。
ただ、その日は他にもやりたいことがたくさんあったので、ちょっと悩んでもいました。
とはいえ、花を見るのは期間限定でしかできない楽しみだから、やっぱりそちらを優先させて、他のやりたいことは後回しにしようとしていたのです。
でも、友達犬Mの飼い主さんの話を聞いた瞬間、私たちの迷いはなくなりました。
その日は花見ではなくて、他にやりたかったことをやろう、と。
思えば、犬がリードを引っ張って、それに私が従わなければ、この話は聞けませんでした。
それで、私は改めて思ったのです。
予定外の出来事は、宇宙の采配だな、と。
もちろん、予定を立てることが悪いとは思いません。
ただ、時として、私たちは、予定通り、計画通りに物事をやり遂げることに執着しがちなんですよね。
そうすると、思い通りに行かなかったことでイライラしたり、自分を責めたりしてしまう…。
でも、実は、予定通りに行かないときは、自分の意識では気づけない大きな意識の中で「修正」なり「調整」が入っているだけ。
小さなことではありますが、今回の出来事で、改めてそのことを思い出しました。
もちろん、今回のように「修正」や「調整」が何だったか、クリアにわかることは稀です。
それでも、「自分では気づけない大きな意識の中でベストなことが起こっているだけだ」という見方ができることは、心のお守りになります。
面白いもので、そのように見れば、本当にそう思えてくるのが人間というもの。
脳は何かを意識したら、その意識したことについての情報を集め始めるので、実際に「ベストなことが起こっている」という事実をたくさんキャッチできるようになるんですね。
ただ、「ベストなことが起こっていると思わなきゃいけない」となると、自分を緊張させることになってしまうので、そこは注意。
ですから、私は「ベストなことが起こっている」ということを、より安心感を持って受け取れる言葉「宇宙の采配が入った」に置き換えることもよくします。
大事なポイントは「そう考えねばならない」ではなくて、「そう考えると安心できる」ということ。
皆さんも、自分なりの言葉を見つけてみてくださいね。
続けていくうちに、予定外のことが起こったとき、イライラしたりパニックになるのではなく、「自分の想像していた以上のことが起こるんだ」と面白がれるようになって、人生が俄然楽しくなると思います。