自分にご褒美をあげること

自分にご褒美をあげる…今、振り返ると、若かい頃の私は、めちゃくちゃ頑張って疲れ果てた時に「自分にご褒美」をあげていたなぁと思います。

わかりやすいのは仕事で疲れた時。

コピーライターだった私は、どう前向きに考えても自分の力量を遥かに上回る仕事をいただいていて、「期待に応えるコピーを(広告文案)を出さねば!」といつも必死でした。

必死だから、体はカッチカチ。大きな仕事をもらったらそれについて24時間頭が離れず心身が休まることがありません。

そうして24時間、それこそ徹夜までして考え抜いたコピーを提案する場で、万一、誰かに意見など言われようものならそれだけで自分の全部を否定されたように感じて、ガクンと落ち込んでいました。

けれど、前向きでありたいし、自分は自分なりによく頑張ったと思いたい、いや、頑張ったんです。だから、「今回は実力が足りなかったけど、次はみんなが唸るようなすごいコピーを書くんだ!自分の実力不足を認めて、実力を上げるために頑張ろう!」と気持ちを切り替えていました。

そんなふうに気持ちを切り替えることをサポートするために、私がしていたのが「自分にご褒美」です。

洋服や化粧品を爆買いしたり、ラグジュアリーなマッサージを受けたり…頑張っているけれどちょっとめげそうになった自分にご褒美をあげて、次に頑張るための英気を養っていたんですね。

その頃は、働く女性の「おひとりさまステイ」というのが流行っていて、私にとって「おひとりさまステイ」もまた「自分にご褒美」でした。

「自分にご褒美」をあげるために、ものすごーく高価なホテルを予約しておいて、仕事でヘットヘットになった心身でチェックインし、どこかの宮殿かリゾート地にでもいったかのような(実際には東京)空間で、極上のマッサジー受けて「至福❤︎」ってやることを繰り返していました。

どれくらい、それを続けた頃でしょうか。ある日、自分の口からこんな言葉が出てきました。

「ああ!この癒しの時間を得るために私は日々頑張って仕事をして稼いでいるんだ!」

その瞬間、違和感に気がつきました。

癒しの時間を得るために、癒しが必要なくらい心身を消耗させて稼いでいるって、なんだか矛盾していないか?

心身を消耗させないように暮らすということは、当時の私にとって仕事を減らすということでした。そうしたら稼ぎはきっと減ります。でも、生きていけるだけのぶんはきっと稼げる。その働き方なら、そこまで疲れ切ることはないから、そもそも「自分にご褒美」はいらなくなるんじゃないかしら?

あれから20年経った、今の私はわかります。

「自分にご褒美」っていうのは、自分の心の奥深いところから囁いてくる「本当はこれやりたいな」「本当はこれやりたくないな」という声をきちんと受け止めて、その声に従って行動できた時にあげるものだよ、と。

かつて私が「自分にご褒美」と思っていたことは、その声を聞かないで、世の中的に頑張った方がいいと思われていることを頑張って消耗していた自分を補填するだけの行為でした。

なぜ世の中的に頑張った方がいいと思われていることを頑張っていたかというと、端的に自分に自信がなかったからですね。立派なコピーを書けるようになったら自信が持てる、そう信じていたのです。

もちろん、当時はそんなことはわかっていません。ただひたすら消耗しきっていました。だから、「自分にご褒美」と言いながら豪華なマッサージを受けて補填しなければ生きていけなかったと思うので、別に後悔も反省もしていません。

ただ、あの時、自分にご褒美って思っていたことは、全然ご褒美じゃなかったんだなって、今は思う、という話です。

自分にご褒美をあげても、また同じことで何度もご褒美が必要な場合、おそらく、それは補填で、ご褒美ではありません。

自分にご褒美をあげたら、次はさらに先に進むような変化ができる、そんなふうに感じられるのが、本当の意味での自分にご褒美だと、今は思います。

自分の心の奥の方で響いている声に従うことは、とんでもなく怖いです。でも、とんでもなく怖いからこそ、それに従って動き出した自分にご褒美をあげて励ますんですね。

そう、「自分にご褒美」は補填する行為ではなく、激励する行為のはずなんです。

動くといっても小さな一歩でいいんです。たとえば今の恋愛関係は健全じゃないと感じているなら、今すぐ別れることだけが行動じゃありません。一人で抱えていないで誰かにちょっと相談してみるとか、それに関連する本を読んでみるとか、そういうことも立派な行動です。

小さな一歩でいい、踏み出せたら一回一回花マルをあげて、自分にご褒美をあげて励ます…それを繰り返して積み重ねていったある日、ふと視線をあげたら、これまでと同じだけど全然違う世界が目の前に広がっています。

さあ、今日、あなたは何をしたら、自分にご褒美をあげられると思いますか? それをぜひ行動に移して、思いきり自分を褒めてあげてください。

Wish you the best!

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